人妻小夜子の単体作品「人妻湯恋旅行０８９」の後日談である。この温泉シリーズ登場としては実に４作品目。後日談とは言っても、男が違う。これには経緯がある、「不倫×湯恋＃12」で、唐木、高橋両監督と２×２の温泉旅行をそれぞれの監督目線で撮ったsideＡ、Ｂの２本立ての存在がそもそものきっかけ。次は１対１でじっくり撮ろうってわけだ。さて、本命唐木に対し寝取り男だった高橋、今回は高橋監督の出番。小夜子の熱量は比較するとやや低いか。距離感が唐木とはあきらかに異なる。ただし、肝心の騎上位シーンの合計は、「０８９」約７分半に対し本作は９分越えと見ごたえがある。両作とも、前半の移動会話シーンが長く、露出もお触りもなく無駄に感じる向きもあるかもしれないが、演技ではない（？）会話や表情を見れるし、経緯や近況も知ることができる。出演作も少なく、謎多き人妻小夜子を掘り下げて見たいファンは必見だろう。

前半は２画面に分割されているが、正面からのアングルは、座り込んだ時に肝心の股間が見切れてしまっていて、まったく用を成していない。ただでさえ低画質なのに、画面を半分にしてしまってはせっかくのＭ字開脚でも見たいものも見えないだろう。後半は真下からの１画面となり、ようやくじっくり見ようかという気にさせてくれるが、画的には前半をもう一度見るだけである。ちなみに正面の１画面はない。だったら最初から前半正面、後半真下でいいじゃないかと問い詰めたくもなる作品。

水野朝陽と眼鏡の取り合わせがまず良い。容姿、スタイルに文句はない、衣装、下着も各シチュに合わせたバリエーションで外さない。一眼レフ動画であろうか、薄いピントのイメージカットも効いている。良いこと尽くめのはずだが、肝心のカラミがイマイチ。プレイは悪くないが、妄想という設定が良くないのだ。せっかくの映像で作った世界観から唐突に切り離される。興奮の装置であるリアリティは、衣装にもプレイにもストーリーにもかけがえなく必要だ。

飯岡かなこ（森沢かな）の容姿は確かに、他の男に狙われるのではという不安を彼氏に抱かせるに違いない。間男に最初こそ警戒するものの、マッチョ好きという設定もあり、わりと簡単に落ちていく。落ちていくが、実は仕掛け人たる彼氏に対して、そのことをおくびにも出さない態度が◎である。惜しいのは、ＳＥＸ時の声である。感じ方自体は悪くないが、男のアクションに対して、いつも決まった同じパターンのあえぎ声を返すのは、演技を強く感じて萎えてしまう。いい腰使いしているのにこれは勿体無い。神は細部に宿る、そういうものでしょう？

ダメ男と付き合っている秋山祥子が、他の色々な男に寝取られるというか浮気するというかそんな感じのどうってことのないよくあるストーリーである。しかし、それがアナル舐めのシーンで活きてくる。翌日の取引先での身体接待を半ば楽しみにしている秋山祥子は、前日の夜彼氏に求められても、挿入を決して許さないのだ。「お願い入れさせて」と何度も懇願する彼氏を否定するでもなく曖昧な返事ではぐらかしつつ（これが最高！）、フェラ、アナル舐め、乳首舐め手コキで挿入させることなくイカせてしまう。浮気ＳＥＸを最大限楽しみ、楽しませるために、彼氏は口と手で少しでも早く処理してしまいたい。そのためのアナル舐め・・・なんてこった、最高だ。これはアナル舐めオムニバスでこのシーンだけを見ても分からなかったので、ぜひ単体作品で見て欲しい。

大別すると、ボディコンＯＬと女子○生の二つに分けられる同シリーズの中で、本作は前者である。仕事やおしゃべりをしている姿をローアングルからとらえる画は、サンプルから想像されうる通りである。惜しいのは、どの下着もサテン地のようにツルツルの厚みあるもので、「見せる用」或いは「見られても大丈夫」的なものばかりである。これでは目の保養程度にしかならない、妄想を掻き立てるか、ハプニングを期待させるような下着でなければ興奮は得られないだろう。

シリーズの中でも今回はなぜか顔出しが多い。そして今までも容姿とスタイルから出演が仄めかされていた大越はるかも、顔出しで登場。エロい下着と衣装を難なく着こなすスタイルの良さは流石である。ただ、大越はるかと言えば眼鏡であるが、今回眼鏡は見られないのは残念。

人妻小夜子の貴重な単体作品である。ＧＯＧＯＳの温泉シリーズに登場するのは３作品目。小夜子はどこにでもいそうな人妻がバッチリはまる容姿で、それでいて超いやらしい性技を持っていという、男の妄想を具現化した女神のような女優だと言えよう。その腰使いは只者じゃあない。いわゆるダンスやソープといった男を悦ばせるための職業的腰使いとは違い、幾度と無く身体を重ねて開花させて知った女の性の快楽を、自ら積極的に求め貪るという、まさに人妻的腰使いなのである。本当にこんな人妻がいるかもしれない、そんなろくでもない妄想を強化してくれること請け合いである。女性上位で身体を密着させながらディープキスをしながらも妖しく蠢く腰使いには、脳が蕩けるような感覚が味わえる、この腰はもはや芸術の範疇だろう。

何人か起用されているが、後半のスタイルの良さは、大越はるかだろうか。太ももと股間の間にできる空間が、エロい下着と相まって非常にそそる。前半は、逆さ取りと自転車乗りパンチラがメイン。画質というか光の状態がすこぶる悪く、見るに耐えない出来である。シーンの一部は、使いまわしなのか、他のパンチラ作品でも結構みかけるので要注意。

３作目から、容姿的にやや改善傾向にあるものの、その他はあまりパッとせず。これ単体で見るならよいかもしれないが、１～４と来た場合、マンネリの感は否めない。類似の作品が多くある中で、あえてこれを選ぶ理由は皆無である。シリーズタイトルにある「絶叫～」は偽りアリで、全く絶叫していない。「深夜激イキ～」シリーズのようなものを期待しているような向きは要注意である。