黒川珠美は今の時代には珍しく、NGなし体当たりで作品に向かう質の高い女優である。 ただし今作が彼女のS性M性を上手く引き出しているとは思えない。 また、便に尿にゲロと全体的に画のインパクトは強いものの、ソレ以上のエロスはなく勿体無ささえ感じる。 その「汚さ」と同時に「クサさ」「匂い」への普及が欲しい所。 約69分という収録時間に、ベッドの軋む雑音なども気になり普通以下の評価になった。
軽いインタビューからのオナニー・フェラチオ・ローターなどを使った前戯からの本番の3部構成。やはり見所は、その熟女らしく肉付きの良い日焼けしたボディー。 分かりやすい構成となってはいるものの、全体的に女優の良さを生かしきれているとは言えずアダルトビデオとしてのクオリティは中の下が良いところだろう。
女優に関しては他作品と同じ様にM性を表現するのが上手く、どこを触られても反応する感度の良さはピカイチ。また熟女らしい裸体とソレを満遍なく映したカメラワークも悪くない。ただしソレ以上の見所は皆無。全体的に男優の攻めが温く、女優の良さを100%引き出しているとは微塵も言えない。女優の喘ぎ声以上に男優の必要以上に大きな吐息や反応が虚しさを誘う。
まず全編に渡り、女優からの匂いに対する執着や興奮が伝わらない。「見よ!このドエロボディ」と謳っている割に最後まで全裸になる事なくスカートを捲し上げた上げた腹巻スタイルでソレを裏切る。3シーン以上に渡って女優がタバコを吸う・吐き出す描写がある為、体臭を売りにした世界観にはそぐわない。全体的に女優から匂いを嗅がせる描写と比べて匂いを嗅ぐ描写が少なくタイトル負けしてる。最初から最後までリアリティーを追求したいのかファンタジーを見せたいのか分からない。兎にも角にもクオリティーと見合っていない値段と、監督の自己満だけでできた作品。
このシリーズを始め、フェ血スの作品は10作以上は観てきたが常に設定がブレブレ。「究極のニオイフェチ」「臭いの好き」を表現できているとは到底思えない。女優への世界観の共有など作品を作る前の設定の理解や説明がまず不足している。その為毎回女優の反応が出たとこ勝負で、今作に関してもニオイに対する執着の無さや顔をそむけて嫌がるリアクションなど散見される。また、度々登場する横からの監督の介入が雰囲気を壊しており卑猥感が漂わない。カメラワークに関しても寄りと引きのバランスが悪く、男優の顔のアップやケツだけを映した醜い描写も確認できる。悪い点をあげればキリがない様な作品だが、唯一の救いとして女優の身体やSEXパフォーマンスだけは及第点。
同監督とのハメ撮り作品は「人妻恋人」「人妻恥悦旅行」を入れて、少なくても3作以上になる。その中でも当作品の出来は、並かそれ以上。表情や喘ぎ方でM性を表現するのが上手い女優であるが、淫語や卑猥なセリフを喋るのが苦手。そんな彼女が言葉責めや絶妙な愛撫で「早く オマンコして」などいやらしい言葉を吐き出す所が見所の一つ。上半身と反比例した形の良いケツへのスパンキングが見られなかった点に大きなマイナスポイントが付く。
初期のマドンナなどから作品をリリースしていた女優。華奢な身体つきながら艶のある喘ぎは魅力的かつ、時折見せる「女」の目に魔性のナニカを感じる。男優兼監督の「高橋浩一」との相性は抜群で、言葉責めなどを駆使したその愛撫に終始他作品以上の反応が見られる。「もっとおっぱい舐めて」「もっとオマンコして」淫語やソレに付随したセリフの引き出しにも成功し、これぞ「高橋浩一」と言った作品で最後には快楽に溺れた女の姿を映し出している。
冒頭に待ち合わせからプロのメイク、オープンテラスのバーにて談笑で約20分。その後、ホテルに到着し1回目の本番で約55分。夕食に約5分、ホテルに戻りオナニーと2回目の本番で約55分。収録時間から見ると、あまり無駄のない構成。全編カメラマンなしのハメ撮り、引きの画が遠く迫力不足な所もしばしば。またカメラを動かす度にカチャカチャと雑音が入る。2回の本番ともに何かしらを着用している為、真っ裸は見られない。長い本番時間の割に男優の責めスキルは微妙で、女優をどこか持て余した印象が残る。
そもそもの作品数が少ない当女優の中でも貴重な単体作品。その見た目とは裏腹に、どこか不思議な雰囲気を醸し出す彼女。他作品でも自身が認めている通り妄想癖が強いのか、淫語や快楽を欲するセリフを喋る時もおぼろげに悦に入る癖がある。とはいえ、感じている表情や声に色があり監督との相性もまずまず。当時の「人妻恥悦旅行」あたりでじっくりとした絡みが観たかった。